人間味あふれる人材開発

ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ

2020年日本
監督:田部井一真

『世界で一番最も貧しい大統領』と言われたウルグアイの元大統領
ホセ・ムヒカ。2012年にブラジルで開催された国連会議で取り上げられた地球環境問題について、先進国の大量消費社会を痛烈に批判。そのスピーチは、感動的なものであり、世界中に影響を与えた。政治変革を求め、ゲリラとして活動し、4度逮捕され、12年の投獄経験のある大統領というのも珍しい。また、日本の歴史、文化に明るく、ウルグアイに移住していた日本人に学び、日本の菊を栽培してきた。田部井監督のラブコールに応え、2016年に日本に来日。彼自身の日本に対するメッセージが中心となる。

感想

彼自信の人生の基軸、人間としての根幹にある物差しは、『人間の幸福』という尺度だと思う。人間が本来、幸福であるためには、どうであるべきか。西欧諸国が中心となって世界に進めてきた人類の発展(産業化)は、人間の幸福を阻害するものではなかったか。そして、その尺度で見た時、日本は彼にとってどのように映っているのか。

彼にとって、今の日本人は幸せには見えないという。
日本は、歴史的に欧米諸国の圧倒的な武力の前に、開国を余儀なくされた。そして、科学技術において、欧米諸国を模倣し、乗り越えようと頑張ってきた。実際、『ジャパンアズナンバー1』とまで言われるようになった。しかしながら、彼にとって、日本の欧米化、産業化は、日本人を狂わせ、日本人にとって大切な魂を失わせたという。来日してもなお、彼にはウルグアイの人々の方が幸せに映った。どうやら、日本人は働くために生きてるように映っているようだ。彼にとっての尺度は、『人間は幸せになるために生れてきた』のだから、そう映っても仕方がないように思う。

今の日本人で「幸せになるために、生きている」と答えられる人がどれだけいるのだろうか。

以下、気になった彼の言葉(◆)と対で感想を書きました。
(※若干、自分なりの解釈も入ります。)

◆『生きるということは、「生まれたから(ただ)生きる」のではなく、「自らの人生を(主体的に)操縦して生きること」だ』


人生の従属者になるのではなく、
人生の主人公として、自らの人生の未来を切り開くことが大切だ。

◆「自分の中にある一番を見つけて社会貢献してほしい。」


自分の唯一の個性を発揮できることと、そしてそれが、社会性を帯びるということは、間違いなく人間としての幸福度を最大限高めることに他ならないと思う。

◆「貧困とは、少ししか持っていないことではなく、限りなく多くを必要とし、もっともっとと欲しがる人のこと。」


貧困とは心が貧困であるということ。もっと言えば、心が常に満たされず、
いつもカラカラで枯渇している自尊心の低い人のことではないか。

◆「人生で大切なことは、成功することではなく、失敗、挫折しても何度でも這い上がり、歩み続けること。」


来世があるとすれば、もっていけるのは財産でも、名誉、地位でもなく、心、魂の成長のみだ。

◆「投獄生活は、孤独だったが、自己対話の時間であり、今の自分をつくった非常に大切な時間だった。」


社会から逸脱し、自らとのみ問答することで、自らを知り、人間を知ることにつながる。より深く自己、人間というものを洞察できる。物理的に孤独ではあるが、時空を超えた人とのつながりを感じることもできる。人生の中でそういう時間はそうあることではないが、その時間こそ、人間として大きく成長できるチャンスとなりうると思う。社会に居続けるだけが、人間として成長できる環境とは限らない。

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