心に響くあり方を探求する

『心のマネジメント研究』~本来の人生を生きるために~

今回は、『こころ』を研究テーマとして扱います。

私もまだまだ人間として成長途上ですが、何よりも、『心のマネジメント』ができなれば、その人本来の力を十分に発揮することは難しいと思っています。また、人生において心の豊かさを手に入れ、本当の幸福感を得ることは難しいと思っています。

最近では、人間は、『自己重要感』、すなわち、ノージャッジであるがままの自分を認められる人間になることが、人生を幸福に導くことがわかってきています。しかしながら、ほとんどの人は、自らを生まれながらに人間として価値があることを感じることは難しく、生きずらさを感じたり、潜在能力を存分に発揮できずに人生を送っているのではないかと思っています。

その原因が、成育歴、人生経験から成る『マインドセット(価値観)』です。この『マインドセット(価値観)』が自らを苦しめている原因で、本来の自分の力が発揮できなくなっている原因です。「心を苦悩の状態から、美しい状態に戻す」ためには、その『マインドセット(価値観)』を変える必要があります。

世界的に成功していると言われるような大富豪、俳優、アスリート等著名人であれば、生きずらさなどないのではないか?全面的に自らを肯定して生きれているのではないか?と思ってしまいますが、そうでもないようです。

インドのチェンナイに『ワンワールドアカデミー』という「心を学ぶ」ための学校があります。その学校に、「フォーブスの長者番付に入るクラスの大富豪」「世界的企業の経営者」「第一線で結果を出し続ける機関投資家」「トップアスリート」「ハリウッドスター」「カリスマモデル」「名門大学の教授」「コーチングの大家」など世界中から5日間の心の授業を受けに集まるそうです。信じられない話ですが、そこに来る方々のほとんどが心の根底に生きずらさや苦悩を抱えているというのです。

その心の授業の内容をまとめたナミ・バーデン氏と河合克仁氏共著の『HOW TO MOVE INTO A BEAUTIFUL STATE(美しい心の状態にする方法)』を活用して、どのようにしたら日常的に心をより良くマネジメントしていけるのか深めていければと思っています。(※日本では『世界中の億万長者がたどりつく「心」の授業』という本のタイトルになります。

 

『心の授業』のエッセンス(まとめ)

●なぜ人は心を病むのか
どれだけ資産を得ようと、激しい競争に勝とうと、有名になろうと、すばらしい家族がいようとも、自分自身の心を理解し、心が快適な状態を認識しなければ、真の満足感を得ることはできないのです。

自分の本心に向き合うことなく日々を過ごしていくと、ますます結果やお金に執着をしてみたり、お酒やドラッグ、また刹那的な快楽にのめり込んだりします。また、じっと我慢を続けた結果、最後にはがまんがきかなくなり爆発する、心身が負荷に耐えきれず病に倒れてしまう・・・といったことが起きてしまうのです。

「夢や目標に向かってがむしゃらに努力をし、結果を出すこと(富や名声を得ることが成功である)」「人と比べて成功者でなければならない」といった価値観は、もはや多くの人が共感できるものではないでしょう。

しかし、そう感じながらも、現実ではその価値観から脱出できていません。他人と収入やステータスを比べて一喜一憂したり、自分よりよい人生を送っている(ように見える)人をうらやんだりしてしまいます。

私たちが本質的によりよい仕事・人生を追求していくには、そんな心の葛藤を認め、自分自身を知り、克服していく必要があります。そうでなければ、幸福感や満足感を味わうことはできない ー そう気づいた人々が、本質的な意味で「心」に目を向け始めています。

心に起きる葛藤の原因はどこにあるのか?どうあれば快適であるのか?そうして自分に向き合っていくことで、「心の授業」は始まっていきます。

●心の授業の目的とは
心を苦悩の心の状態から解放し、美しい心の状態にするのが心の授業です。

●苦悩の心の状態の典型例
・ネガティブな感情(怒り、悲しみ、寂しさ、嫉妬、絶望感など)が形を変えてあらわれる
・先が見えない。何をしたいのかわからない。暗闇の中をもがいているような苦しい感覚
・頭の中に思考がごちゃごちゃ存在する
・自分中心(アイコンシャス)の意識で、自分の立場でしか考えられない
・意識が「過去」か「未来」にある
・人と心が離れている
・無気力、無行動。衝動的な行動しかできず成果も限られたものとなる
・いくら考えてもブレイクスルーが生まれない
・相手を非難する声、自分を卑下する声がある

●美しい心の状態の典型例
・平穏、喜び、幸せを感じる
・自分のすべきことがはっきりとわかる
・思考がクリアで物事が見極められる
・すべては1つ(ワンコンシャス)の意識で、相手やまわりの物事を含めた考え方ができる
・意識が「今」にある
・人と心からつながることができる
・精力的な行動が生まれ、素晴らしい結果につながる
・自然とクリエイティブなアイデアが湧いてくる
・感謝の念が自然と湧いて出てくる

●苦悩の本質である『理想像』
苦悩の本質は、無意識に抱いている「理想像」である。すなわち、「自分はこういう人であるべき」「自分はこういう人であらねばらなない」という理想像(願望)です。理想像や願望に対して現実が追いついていないとき(ギャップが生まれたとき)、苦悩が生まれるのです。

そして、この理想像への執着が強ければ強いほど、悩みは深くなっていきます。理想像はほとんどが無意識のうちにつくられます。過去の体験を通して「そう考えるのは当然である」といった顔をして心に住み着いています。深層意識の中に根付いているので、なかなか気づけません。私たちが苦悩から抜け出せない理由は、そこにあります。

つまり、いつもはふたをしている心の奥底に意識を向け、「自分が本当は何に執着しているか」を見つけない限り、苦悩から抜け出すことはできないのです。

●苦悩の心の状態とは
苦悩の心の状態のとき、アイコンシャスの意識になっています。アイコンシャスとは、自分が中心になった意識状態、「自我(エゴ)への執着」と言い換えてもよいかもしれません。自分を憐れむ思考が生まれ、それにともなってネガティブな感情も生まれやすくなってしまいます。苦悩の状態にいる時間が長くなると、「ネガティブな気分の自分」が自分の状態(キャラクター)として固定されてしまい、そこから生れる言動も必然的にネガティブで衝動的なものになっていきます。この負のループにはまると、さらに苦悩の状態を引き寄せ、独りよがりな言動が増えていきます。その言動が周囲の人を傷つけて不安にさせるなど、苦悩の連鎖が起きてしまうのです。一度生まれたネガティブな感情は、根本的な問題が解消されない限りは、自分の心の隅に押し込められ、ことあるごとに形を変えて表面化します。消化しきれない感情は、心の中に押し込められ、イライラ→怒り→悲しみ→無力感→絶望感と変化しながら蓄積されていくのです。また、どれだけ環境を変えても、「根本問題」が解消されていないために、思考パターンや行動は変わりません。プライドや競争意識は、苦悩の証です。また、苦悩の心の状態は、「今を生きれていない状態」です。意識が「過去」「未来」ばかりに向かっている状態です。必然的にネガティブな感情が生まれやすくなります。何より問題なのは、何をしていてもちっとも幸福感を感じられないことです。過去や未来に意識がいっている割合が多い人ほど、幸福感も減少します。「ポジティブにしよう」とか「プラス思考をしよう」と考えている状態は、実はもうすでに苦悩の状態に入ってしまっているのです。

●美しい心の状態とは
美しい心の状態のとき、ワンコンシャスの意識になります。つまり、自分もまわりも大差などなく、(本質的には上下関係などなく)、世の中はすべてが関わり合い、支え合い、つながっている、自分はすべての中の一部分に過ぎないのだという意識状態です。また、美しい心の状態のとき人は自分にとって正しい選択ができる。「美しい心」とは、心の底から生れる「美しい意識状態」のこと、より具体的に表現すると「心に何の曇りもないスッキリとクリアな感覚」のことで「今この瞬間」に集中している状態です。目の前にことに集中しているときには、ネガティブな感情が一切生まれません。「美しい心の状態」=「無行動」ではなく、むしろ目の前で起きている問題に対して、すべきことが直観的に浮かび、迷わず判断できます。美しい心の状態でないときは、すべて苦悩の状態です。平和で喜びに満ちた感覚がないときは、すべて「苦悩の心の状態」です。

目先の利益に飛びついて「これはやっておいた方がいいかなぁ・・・」という微妙な案件には手をだすことがなくなり、「これを絶対にやりたい!」という仕事だけをする、ということを徹底できるようになる。

●本当の自信とは何か
真に自信をつけるには何が必要なのでしょうか。それは、心を美しい状態に戻し、自分で自分のことを批判するのをやめる、ということです。

心の中で自分自身への批判の声が静まったとき、自然と自信は湧いてきます。今の自分をあるがまま「whole(全)」として受け入れる事ができるようになります。自分という存在をまるごと受け入れ「私は私のままでいい」と肯定している状態が、本当の自信なのです。

 

〔美しい心をつくる4つのステップ〕

①苦悩の心の状態に気づく
自分の心の状態が「苦悩の状態」であることに気づく
②心の声を深堀りする
深層意識にある心の声にしっかりと耳を傾ける
③苦悩の本当の正体を知る
自分中心の思考に気づき、自分がしがみついている理想像、悩みの真の正体を特定する
④正しい行動を考える
美しい心の状態で、自分や相手にとって正しい行動を選択する

 

①苦悩の心の状態に気づく

スタートはネガティブな感情に気づくこと)
怒り、悲しみ、不安、孤独などネガティブな感情があらわれているときに「あれ?自分の心は苦悩の状態になっているぞ」と気づくこと。

事件、出来事がネガティブな感情をつくるのではない)
出来事、事件がネガティブな感情をつくるのではない。ある出来事に出会った瞬間(脳が認識した瞬間)に勝手に思考が生まれ、同時に感情が湧き上がってくる。「苦悩の原因」を解消しない限りあらゆることをきっかけに苦悩の状態になる可能性がある。苦悩する本当の理由は、理想像への執着である。

感情が自分だと勘違いしないこと)
本来、感情と自分自身のキャラクター(アイデンティティー)は別物です。感情=自分ではないことに気づくことです。「私は悲しみという感情を経験している」、「私は孤独という感情を経験している」が正しい表現になります。「私=悲しい人」、「私=寂しい人」なのではありません。感情に支配されると、勝手にそのようなセルフイメージをつくってしまいます。感情=自分ではないということを知り、感情は、物事を経験したとき、勝手に生まれる副作用のようなものです。

 

②心の声を深堀りする

頭の中を駆け回るゴースト(幽霊)を捕まえる。浮かんでは消えを繰り返すので、浮かんでいる瞬間にきちんと拾い上げなければ、自分の思考を正確に把握することができません。

心の奥底にある深層意識を絞り出す方法)
(1)目を閉じて、背筋を伸ばして椅子や床に座る
(2)頭の中を駆けめぐる心の声を15個以上あげる(この際、「セリフ」のようにすると見つけやすい)

・注意点1
どんな思考が浮かんだとしても思考を評価しない。善悪で評価しない。ノージャッジ
・注意点2
心の奥深くに心の声が隠れていることも多いので、最低15個以上あげる。心の声は「見つけ切る」ことが重要。自分で気づいていない深層心理は後半の方で初めて出てくる。
・注意点3
「感情」=「自分でなない」のと同じで、「心の声」=「自分ではない」。自分は観察者としてどんどん声を探して見つけていく。

このステップは、いわゆる「内観」と呼ばれるもので、自分の心の奥底にどんどんと潜っていき、深層心理、深層意識を表面化していくものです。この、「思ってもみなかった心の声」が次のステップ3で行う「苦悩の正体(理想像)を特定していく」作業の上で極めて重要になります。15個はあくまで目安で「見つけ切る」ことが大切。

 

③苦悩の本当の正体を知る

(1)第二ステップで挙げた心の声(ゴースト)のうち、どれくらいの割合が自分中心の意識(アイコンシャス)から生れたものであるかを客観的に確認する。

心の声の何%が自分中心の意識から生れたか確認する。世界の中心の中に自分を置き、「私が」「自分が」と主張しているもの、「他人」の非を責めているもの、それらが自分中心の意識から生れている心の声です。苦悩の状態から出てくる思考は、そのほとんどが自分中心の考え方になっている。

(2)自分がしがみついていた理想像を見つける

人はそれぞれ「こういう人であるべき」という自分の理想の姿(理想像)を掲げており、理想像と現実とのギャップが起きると、その瞬間苦悩の状態に入り、ネガティブな感情が湧いてしまいます。

「こんな人間でありたい」「こうあらねばならない(そうでなければ私ではない、許せない)」「あの人のようになりたい(あの人のようにはなりたくない)」など

常に「こうなりたい」という理想像を目指して生活しているにもかかわらず、自分では本当は何にしがみついているのかわかっていない。そもそも理想像を認識できていない。なぜ苦悩の状態になるのか、どうすれば解消されるかもわからず、湧いてくるネガティブな感情をずっとひきずってしまうのです。理想像の「自分は〇〇であるべき」が特定できた瞬間、心は美しい状態に戻ります。すぐさま苦しみから解放されます。「自分はこんな理想像にしがみつしていたのか!」と実感できると、その瞬間にスッと理想像を手放すことができます。

すべての理想像は過去の経験から生れたものです。

自分がしがみついていた理想像を発見した瞬間の気持ちを、英語で「Aha moment アハモーメント」と表現することがあります。「目から鱗」な瞬間です。

ただし、理想像を見つけたときに「それでも理想像を手放せない!」「どうやったら離れられるかわからない!」という場合には、その理想像は、自分が本当にしがみついている理想像ではない可能性が高いでしょう。

●一般的な理想像の傾向
1位   成功者でありたい
2位   自分は価値のある人間である
3位以降 いい人でありたい、自分は賢い、完璧な夫/妻、親/子、男/女・・・

※約全体の50%の苦悩の正体が、1位、2位

●しがみついている理想像を探すためのヒントとなる質問
・最近人に言われて傷ついた、イラっとした一言はありますか?
・なぜ、傷ついた、あるいはイラっとしたと思いますか?
・あなたが、許せないこと(人)はどんなものですか?
・なぜ、許せないのだと思いますか?
・頭の中に駆け巡る心の声を聞いていくとき、どんな考えが一番自分を悲しくさせますか?
・自分の心の中で、どんな考えが自分を激しく動揺させますか?
・親なども含めて、憧れている人、あるいは嫌いだ(こうなりたくない)と思っている人はいますか?
・その理由は何ですか?

④正しい行動を考える

他人にとってではなく、自分にとって正しい行動をとる。自分が本当にすべきことは何かを考える。今取るべき行動は?自分が本当にやりたいことは?相手のために何ができる?思考がクリアな状態で考えてみます。

「正しい行動を選択する」とは、必ずしも「それまでやってこなかった特別なことを行う」ことでもなければ、「模範的なことをする」ことでもありません。理想像を一時的に手放すことが大切なのです。理想像を一時的に手放した上でならば、「何もしない」と決めることも正しい行動になりえます。

「~しなければいけない」という行動こそが、自分中心の苦悩の心から生れている考えであると気づく必要があります。

 

所 見

●そもそも何のための内観か
人間は幸せになるために生れてきているのだと思います。どうしたら、本当の幸せを得ることができるのかを学ぶために生れてきているのだと思います。人間関係を通して、愛を学ぶために生れてきているのだと思います。多くのことに思い切って挑戦し、体験と感動を通して魂を磨くために生れてきているのだと思います。最後に、今世を通して、自らの使命を直観してやり遂げ、また、今世での課題を克服することによって宇宙の叡知に貢献するために生れてきているのだと思います。要するに、本来の人生のテーマを成就するために生まれてきており、そのために調心が必要であり、内観が必要なのだと思います。

●本来の人生テーマから遠ざける理想像、苦しみの価値観
最初から美しい心の状態であり続ければ、上記に述べたような人間としての本来の人生テーマを果たすことはそうは難しくないはずです。しかしながら、人間として成長していく過程で、様々な教育を受け、経験をすることで、苦しみの心の状態の根本的な原因となっている理想像、すなわち、苦しみの価値観ができあがり、それによって、苦しみ続け、本来果たしたい人生テーマからどんどん離れていってしまうのだと思います。幼少期に自己重要感を育むことができれば大丈夫だと思いますが、それは、極めて稀なケースだと思います。自分自身との向き合い方がわからなないだけでなく、多忙な日々に身を委ねてしまえば、どんどん本当の自分からはかけ離れていくことでしょう。また、自分自身と向きあうことを呆らめてしまったら、正直、本来の人生テーマを見つけることなく人生の幕を閉じることになるでしょう。ただそれも個人の人生の選択としては自由であるわけですが。

●現代社会の心の闇の原因となっている恐怖心とは何か
私が本書を通じて実際に『美しい心をつくる4つのステップ』を実践したり、カウンセリング等を通じて他の内観方法を実践してみたり、これまでの人生経験から人間社会を俯瞰してみて気づいたことがあります。それは、人間全般に共通している点として、「自分は人間として価値のある人間でありたい」という本質的で抽象的な理想像があるということです。言い換えれば、「他人から価値ある人間であるとして評価されなければ存在価値がない」「他人から愛されなければ存在価値がない」という恐怖心があるということ。そして、「他人から価値のある人間として評価されることで存在が許されるために」、「人から愛されることで、価値のある人間として存在することが許されるために」、「ねばならない」、「してはいけない」という具体的な理想像、価値観執着しているのだと思います。人それぞれ様々な概念、すなわち、枝葉の理想像枝葉の価値観はあると思いますが、本質的には同じ問題ではないかと思います。だから、あらゆる種類の成功者になろうとするし、所帯を持とうとするのだと思います。

●恐怖心を突き抜けた先に見えるもの
プロセスは人それぞれですが、上記の苦しみ心の状態の原因、恐怖心の元になっているものを見つけ、美しい心の状態を取り戻し、「自分が自分を愛することができるようになること」「自らが生きているだけで存在価値があるということ」を感じるようにすることが、本来の自分を取り戻し、今世での役割をはたして幸福になる道になるのではないかと思います。

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